【綿いっぱいの愛を】
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雪が一面を覆い、月明かりを返す仄明るい夜の色が更に寒さを感じさせる。


息を吐けば真っ白くゆったりと動きその色の濃さを言い訳に宗の布団に潜る。

こんなにも想い合っていても普段は別々の部屋。
毎日入ることは許してくれない。(無理に入ると蹴って退かされる…)
特に寒い日だけはすんなりと『殿の防寒具』の一つとして、入ることを許された。

布団の外では『うざったい』などと言うが二人の時だけは小さな小さな声で『ずっと一緒では馬鹿になりそうだ…』と毎日入れてくれない理由を呟き真っ赤な顔を逸らすのがまた可愛いから抗議はしない。

体裁は嫌そうに、しかし入り込めば冷気が入らないよう布団を正してくれわざと枕を持ってこない事にもふれずに俺の頭を胸に抱えてくれる。

重たくないかいと聞けば重たいと返すが退かされる事はなかった。


足りない高さ、短い幅、なのに安心する。

支え合いたい、視線の先の夢を一緒に見たいと居座った筈なのに小さな腕に抱かれ目を瞑っている。



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