1/4ページ目 「あれ、梵てば真っ赤。熱?」 額にふれようとした成美の手を派手に叩き落としてしまい、その目にみるみる涙がたまる。 反射的に動いてしまっただけで成美に対して悪意などは無い。 「……………すまぬ…考え事をしていた…」 涙がいっきに引き好奇心の目に変わる。 「その顔だと慶次さ「本気で泣かすぞ…」 出されたくない名が出たと同時に放たれた爬虫類の如く冷酷な眼光に成美はたじろき、愛想笑いを一つしてそそくさと逃げた。 その後ろ姿に尚も威嚇を続け、見えなくなっても暫く唸り続ける。 さっきまで真っ赤な顔でぼんやりと空を眺めていただけだったが機嫌が悪くなったのは図星を突かれたから。 体をいじらせて数日後、恥ずかし過ぎてまともに部屋から出る事もできず仕事も全くはかどらない。 直後は変わらない感情に慶次を意識しているのは勘違いだと暫定したのに時間差でやってきた。 なんて事をしてしまったのだろうか…!!なんて事を言ってしまったのだろうか…!! 汚いものを出したんじゃあないのか、 慶次は自分に引いたんじゃないのか、 でも大人だからとかほざいて許してやってるつ もりなんじゃあないのか…!!!! 心底自分を嫌悪しながらも優しく自分の体を巡る大きな手の感触を思い出しとろけそうになる。 大きく固い指だと思っていたのにふれられた指はひたすら暖かく柔らかで心地良かった… ため息は桃色。自分らしくない、まぬけな姿とわかっているのに甘いものに支配されくらくらと頭を惚けさす。 出会った当時から可愛い奴だとは思っていたが必死にじゃれつく犬に抱くような可愛さで今持つ感覚とは違う。 と、いうか、可愛いではなく、その、なんというか、これは……嗚呼……… 熱く感じる体の部分に、腫れを押さえるように手を置く。 ふれられた肩、手首… 自分で自分を傷つけてるなどと言ってみたらどんな反応をするのか試してみた。 哀れむか軽蔑するか、笑い飛ばすかそんな予想をしていたのにあんなに慌てた顔は初めて見た。 自分の手を取ったときの痛みも、あんなに強く握られたのは初めてだ。余裕が無かったという事だろうか。 そんなに自分を想っていてくれているのだろうか… わしを…想っている……… 「政宗!」 会いたくない相手がさも嬉しそうに目の前にいた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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