1/2ページ目 『勿体無い……』 この言葉と自分の間近にあったうっとりとした表情がずっと頭をめぐる。 “勿体無い”は“可哀想”の意味もあるんじゃあないか、両目開いていたら力付くでも物にしていたがこんなに不気味な目では要らぬから勿体無いんじゃないか。 だがあの偽善や欲望の一切混じっていない表情に否定される。 遭遇したことのない表情。 『勿体無い』の違う意味を探し無駄に辞書を開く。 「うっ…」 探していたのに見たくなかった言葉の説明を一発で見つけてしまい声が漏れる。 その言葉の意味はやはり自分の知っているものと同じで『惜しい、残念』というようなものだった。 他人の目が潰れていて惜しいとはどういうことだろうか、理解できない。 ……たとえ何かの感情があろうとも家臣なのだ。しかも拾い物の。 次会った時こそ立場をはっきり分からせてやらなければいつか可哀想な目にあってしまうだろう。 寛大なわしだから様っ々な無礼を許してやっているが普通の大名ならばそれ程度で怒るからな。『待て』位までは教えてやらねば。 寛大だからと言ってみたが無礼、不行儀、傍若無人の数々に頭が痛くなる。 なのに慶次に会うと痛くなるのは頬の筋肉で、笑いすぎて心地よく顔面の筋肉が疲れる。 別れた後も明日は何があるか、期待する。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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